1:
「ちゃん、おいしい? いっぱい食べていいからね、」
「おーおー新八ィ、お前ずいぶんに甘いなァ。いつから母性に目覚めたんですかァー?」
「まったくネ! ワタシにはいっぱい食べてもいいなんて、言ったこと一回もないアルよ!」
「いやだって、神楽ちゃんそんなこと言わなくたっていっぱい食べてるでしょ」
「夜兎の胃袋ナメんなコルァ、あれだけでワタシのお腹がいっぱいになると思ったら大間違いヨ!」
「炊飯器抱えてメシ食ってる奴に言われたくねーよ」
「何を言うネ銀ちゃん、こんなちっちゃなお茶碗じゃ何度おかわりしたって足りないアル、だったら炊飯器から直接食べたほうが効率的ヨ」
「お前の燃費は最高に非効率的だけどな。時代はエコだよ?エコ。お前もさ、もー少し燃費よくする努力とかしたらどーなわけ?」
「いっつも甘いものばっかり食べてる銀ちゃんには言われたくないアル」
「・・・ちょ、神楽ちゃんそれちょ、うーわ・・マジそれないわァ」
「・・銀ちゃん? 糖の摂りすぎでついに頭パーンなったアルか?」
「違うわァ! お前銀さんをよく見ろっつーの、本当なら三食ぜんぶ糖でもいいところを、やれ医者が糖尿だ何だってうるせーから我慢してんだろーが! 本当なら毎日パフェ食いたいところを、週一で我慢してんだろーが! ほら見ろ、銀さん燃費スゲーいいじゃねェか、お前もこんな地球にも環境にも家計にもエコで適度にエロな俺を見習ってだな・・・・・」
「あはっ! 、これも食べるアルか?」
「あ、ちょ、神楽ちゃん! それ僕の仕事だから、神楽ちゃんは早く朝ごはん食べちゃいなよ!」
「うるさいネ! 新八のくせに。ワタシもにごはん食べさせたいアル!」
「・・ッ、人の話を聞けコラァアアア!」
2:
「よし、じゃあ行くとするかァ。、お前ちゃんとつかまってろよー?」
「あーでも、だからつってあんま引っ張んじゃねーぞ。痛いから」
「・・・ん、なに?あの店気になんの?」
「あー・・悪ィな、。あの店は今度神楽かお妙につれてきてもらえ」
「・・・・なんでって言われるとアレだけどな。ヤローひとりで小間物屋に入っていくのは、結構勇気がいるんだコレが。・・金もねーし」
「ウソじゃねーよ、なんだったら今度新八と一緒の時に聞いてみ? アイツも絶対俺と同じこと言うから」
「・・・・・・・いやでも、アイツお妙に頼まれたもんとか結構平気なツラして買いにいったりするからなァ、」
「妙なところで度胸があるっつーか、・・パシリが根っこまで染み付いてやがんだな、アイツは」
「いててて、別に今のは新八の悪口言ったわけじゃねーよ。俺ァただありのままを言っただけで、」
「あーわかったわかった、もう言わねーって! ・・ったく、お前も随分新八に懐いたなァおい」
「・・・・ま、なんにせよ仲がいいのはいいことだな。銀さんを仲間はずれにしちゃだめだぞー?」
「・・・・・・・・・・・え、ちょ、ちゃん? なんでこんなときばっかり返事がないの? ちゃん!?」
3:
「よォ、お前らふたり揃って夕飯の買い物ですかコノヤ 「!」「ちゃん!」 ・・・・・え、ちょ、何それおかしくね? よか先に目に入るもんが、」
「あ、銀ちゃんいたアルか」
「あ、今が帰りなんですか?」
「オイィイイ! 二人揃って何いま気付きましたみたいな顔してんの!? ・・最近さァ、お前ら銀さんに対する態度がなってなくない?なってなくなくない?」
「今日プリンが安かったんで、買っておきましたけど」
「あれ、新八おまえメガネ変えた? なんかカッコよく見えんぞ」
「、今日の夕飯は肉じゃがヨ! 肉とじゃがの割合が1:9のビンボー肉じゃがアル!」
「・・あの、神楽ちゃん? そういうことはそんな大声で言わなくていいからね、すれ違う人の視線が痛いからね」
「新八の言うとおりだぞ、神楽ァ。肉が1あるだけいいと思えー」
「それすらなくなったらもう肉じゃがじゃねーよ、ただのじゃがいも煮たやつだろーが!」
「・・・・え、ありじゃね?」
「ワタシも銀ちゃんの意見に賛成ネ」
「・・・・・うん、てゆーかそんなの全然フツーだしね。肉が1あるだけいいよね、ほんと」
「そんで、ごはん食べ終わったらみんなでプリン食べるネ!」
「え、銀さんのプリンじゃないの?」
「三つがひとつのセットになってるやつなんで、みんなの分ちゃんとありますよ」
「えぇぇー・・・、」
「いや、アンタどんだけ心狭いんだよ。何でもう全部自分のものにしたつもりでいたんだよ」
「そうアル、ワタシとと銀ちゃんの分でちょうどネ!」
「ッオイィイイイ! なんで僕の分ないの、買ったの僕なのになんで僕の分ないの!?」
「あ? 何、新八お前からプリン奪うつもり?」
「え、いや、そーゆーわけじゃ、」
「サイテーあるな、しばらく私に話しかけないで」
「あーもうハイハイ、わかりましたよ! 僕が我慢すればいいんでしょう、僕が・・・ってちゃん、急にどうしたの?」
「・・・・・・・もしかして、僕と一緒に食べようって言ってくれてるの?」
「―――・・うん、ありがとう。じゃあ僕、今夜はちゃんがお風呂から上がってくるまで待ってるから、そしたらプリン一緒に食べよっか」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・し、新八くぅーん?」
「・・何ですか、銀さん」
「あー、なんだったら俺のプリンくれてやってもいいぞ、つーかやる」
「いりません」
「なっ、おま、やるっつってんだから大人しくもらっとけっつーの!」
「い・り・ま・せ・ん! 銀さんこそ、ひとり淋しくプリン一個食べればいいじゃないですか!」
「おまっ、“ひとり淋しく” とか言うなァアアア!」
「じゃあ、ワタシが銀ちゃんのプリンもらってあげるネ!」
「いや何言ってんの、何言ってんのお前? どんだけ空気読めてないわけ、読もうとしてないわけ!?」
「そしたら、もらった分をにあげて一件落着ネ!」
「一件落着してねェエエエエエ!」
気が付けば三本全部が銀ちゃんでオチ・・・あ、愛ゆえです。09.02.13