銀魂高校 3年Z組。最も個々人の特色が強く個性的で、最も教育委員会に忌み嫌われているクラスである。
担任教師は坂田銀八。担当教科は国語。
教育委員会の作成する"次なんかあったら絶対クビきってやろうゼ"リストのトップに名を連ねる教員だ。
そんな銀八だが、生徒からの人気は高い。
テストで「あ、コレは俺・・赤点確実だわ」と自覚した生徒も、とある有名なレストランのケーキバイキング招待券を糊付けして提出したら、欠点プラス2点で赤点を脱出することができる――――
そんなウワサが、成績下位層5%に伝統的に受け継がれていた。
(その成績下位層5%はほとんどが3Zのメンバーだったりする)
そんなクラスに幸か不幸か振り分けられてしまったは、自分以外すべてのクラスメートの推薦により、学級委員というクラス公認のパシりをさせられていた。
ハメられた、ともいう。
「えーと、あさってのクラスレクでやりたい遊びとか、なんかある人挙手してくださーい」
ひと学期に一度、クラスの親睦を深めましょうという主旨でレクリエーションの時間が用意されている。
面倒くさいことこの上ないが、それにはなぜか担任も参加せねばならないという決まりがあった。
咥えていた煙草を口から離し、銀八が言葉を挟む。
「もーめんどいから、伝言ゲームとかでいいんじゃね?」
「・・・は?」
はじめの頃は濃いキャラの多い3Zで、初々しかったも、時が経つにつれて周りのヤツら・・・・2年からの持ち上がりで3Zになったヤローどもに感化されたらしく、俺に対する態度はホリ●モンの風評並みに悪化の一途を辿っていた。
「クラスレクの時間って2時間あるんですよ? 伝言ゲームじゃ30分ももちません」
「じゃあハンカチ落としも」
「足してもまだ1時間足りません」
「・・・・マジカルバナナ」
「ネタが古い」
じゃあ先生、それルール説明できますか? と言われ、当たり前じゃねーか、そーとー流行ったぞ昔・・・・と意気込むものの、いきなり言葉が思いつかなかった。
ホラ、と勝ち誇ったようにが笑う。
銀八はチッと舌打ちをくれ、煙草を再び咥える。
いつの間にやら長くなっていた灰はそろそろ1cmに達しようかという長さで、折れてしまうより前にベランダにそれを捨てる。
煙草の吸殻をベランダに捨てると、後でババアがうるさい。
前に一度、俺じゃねー、アレだよアレ、高杉のヤローが吸ってたんだよ、と言い訳したら、生徒のせいにする担任がいるかい、と一蹴された。
学校一の不良よりも信用のない教師、なんてダサすぎる。
ありえない。
ありえないといえばだ。最近、前にも増して素っ気ない。
俺との関係は、俺ら以外の誰も知らない秘密だ。別にバレても知ったことではないと思うが、向こうはそうはいかないらしい。
恥ずかしいから、というのをは理由に挙げたが、実を言えば俺に迷惑をかけまいとしている。
それに気がづかないほど、俺は阿呆じゃないし、鈍くもない。
第一、俺はのそういうところに惹かれたのだ。
―――・・ってあれ、なんか話ズレてね?
そう・・あれだ、が素っ気ない。
昨日だって、部活で帰りが遅いを車で自宅まで送り届け、帰り際ちゅーしようとしたら鼻っ柱を一発KOされた。
小柄なくせして空手部の女主将を務めているだけある。鼻血がつぅと垂れた。
年下の彼女にキスしようとしたら張り手をくらい、しかも鼻血だ。
情けなさも、ここまでくると笑えてくる・・・笑わないとやってられない・・・・・笑ってくれ、頼む。
別にちゅーするの、初めてだってわけでもないのに。・・・・あれ、前にちゅーしたのいつだっけ。・・ぇ、ちょっと待てオイ。もうかれこれ2週間以上してなくね!?
ほとんど毎日顔合わせてんのに、一番最近したのが2週間以上前ってどうなんだコレ。
スゲー・・、俺ってガマンできるコだったんだ。
近頃、と沖田の仲がやたらいい。席替えして、席が隣同士になったからかなんだか知らないが、俺の授業中だってベラベラ喋っているし、廊下でふと見かけたりしたときに二人で笑い転げているのを見たのだって1度や2度のことじゃない。
別に嫉妬とか、そんなんじゃない。
は思った以上に俺に惚れてる。元を辿れば、先に言ってきたのだってなのだ。
きっとこれは俺の自惚れなんかじゃ・・アレ・・・・自惚れだったらどうしよう。
「先生、ちょっと先生ー? 聞いてるんですか?」
「・・あ?」
ったく、しょーがないなこの人は、と呆れたように、が俺を見てため息をつく。
だが―――・・俺を見るの瞳の奥には、ビックリするほどあたたかくて優しい光があって、その光は俺を見るときにだけ輝きを放つ。
俺はそれを知っている。だから、
「こんな感じになりそうですけど、先生どーですか?」
「おー、別にいいんじゃ」
1. 先生ん家で、先生の私物で宝探し。(宝は先生が隠す。見つけたら各自、質屋に流すなどして可)
2. 先生ん家で、かくれんぼ。(鬼は先生。最後の1人には先生の愛車をプレゼント)
3. 先生ん家で、鬼ごっこ。(鬼は先生。最後の1人には先生の愛車をプレゼント)
(俺って実は、自意識過剰?)
企画 笑。さまに捧げます。参加させていただき、ありがとうございました!