はいどぉもー、みんなの銀さん参上ですよー。12月だよ12月。ぐるりと季節が一周して、もうネタ切れなんじゃないかとかなり切実になったりする冬空の下。こんな所に俺が担ぎ出されたのにはもちろん、ワケがある。本当は、「こんなの銀さんじゃないー!」とか「調子こいてんじゃねぇぞコラ」みたいなお叱りを受けることもなく、無事平穏に一周年を迎えられたことを記念して、俺とマヨラーとドSがそれぞれオムニバス形式で話を繋ごうかとも思ったんだが、そうも言ってられなくなったんだな、コレが。理由? ちょ、のらくら記本編読んでないの? だみだよ君ィ、話あるんだしとりあえず拍手しとけーみたいなのしちゃあ。本当に面白いと思ったときにだけ拍手しなさいね・・・・・っていや、それでコレ読んでくれる人がいなくなっちまっても困るんだが。
詳しいことは大人の事情ってやつで言えないんけど、まぁ大変なことになってるわけですよ。本当にもう土方くんが余計なことばっかしくさってよォ・・・おかげでクリスマスだなんだと騒いでられなくなっちまった。アイツ本当に空気読めねぇからなー、恋人同士がいちゃこける折角のこの季節を潰すなっつーの、いやもうマジで。
俺だって、なけなしの金をはたいてプレゼントとか用意したわけですよ、のために。神楽には酢昆布やるとして、新八には・・・肩もみ権とかそういうのでいいだろ、別に。あいつらに文句は言わせねー、つか言っても無駄。のプレゼントでもう金使っちまって、俺の財布はスッカラカンよ? この年の暮れも迫ろうって時期に、スッカラカンよ? ――20代も半ばに差しかかろうってのに、こんなんでいいのかとか考えたら負けだ。下のババァが家賃払えとうるさく喚くことが予想されるがどうしようもない、ないもんはないんだから。・・・・・だれか俺の肝臓買ってくれる人いねぇかな。ホラ、伝説上の生き物の名前がついた医療チーム。なんだっけなー・・・・チーム化猫? あ、違うわ。これ最近乗っ取られつつあるモノノ怪の名前だわ。むしろ敵だわ。
のためにプレゼント。これがまた大変だった。正直納得いかないし、認めたくもないことだがが他の野郎どもからプレゼントを貰うのは火を見るより明らかで、しかも税金泥棒を地で行くあいつらのほうが経済的な余裕があるという危機的現状。いきなり勝ち目が薄い。――まぁはプレゼントやらといった類のもので人を区別したり、安物だからってがっかりしたりとかそういうことする奴じゃないだろうから、値段云々を気にするつもりはない――というか、普段安物ばかり目にしているに、高価なものとの区別がつくとは思えない。それならもうインパクトを狙うしかない。ピンポイントでが欲しそうなものを、と考えて固まった。・・・・アイツ、何が欲しいんだ?
「――え? 欲しいもの?」
そうだよ、欲しいもの。あるだろ? なんかこォ、指輪とか指輪とか指輪とか。銀さん頑張っちゃうよー? ・・・・あ、やっぱ今のなし。なしなし、銀さん頑張っても出るもん出ないから。
「そーだなぁ・・・生活費?」
その、ホントいつも苦労かけてスンマセン。流石に19歳という年頃の女の口から飛び出た「クリスマスプレゼントには生活費が欲しい」という言葉はショックがでかい。どこの世界に、赤い服着て白いひげを蓄えた親切極まりない爺さんに、自分以外の人間がかさませている生活費を願う奴がいるだろう。
「銀さんは? なんかないの?」
あ、俺? ――そんなの、決まってんじゃねぇか。聞くだけ無駄ってやつだよ、お前。
「そーなの? 俺に用意できそうなもの?」
そうだな、の力借りれば簡単に用意できるかもしれねぇなァ。・・・、銀さんにクリスマスプレゼントくれんの?
「お金くれって言われたら張り倒すけど、それ以外だったら「ーっ!」
かぁぁぐぅぅぅるぁあああ! ちょ、お前何してんの今いいとこだったでしょーが! あともう少しで、が俺のものになろうって時に何ハイキックしながら登場してんの!? そんな派手な登場いらなくね、プロレスとかと違うんだからさァ!
「神楽、クリスマスなんか欲しいものある?」
――“”なんて言ったらはったおすからな。
「私、やみんなと一緒にクリスマスを過ごせたら、それだけで十分ネ! 酢昆布もあると尚ヨロシ」
「俺も神楽と一緒のこと考えてたよ。今年も一緒にクリスマスやろうなー? ・・・な、銀さん?」
全く、骨の髄まで貧乏が染み付いちまってまァ。でもそう言いながらこっちを振り向いて笑うに、心がすっと軽くなった感じがする。もしかして、今の神楽の一言がを喜ばせる一番のプレゼントだったのかもしれない。別になんでもない顔をして、「プレゼントをくれようとした気持ちだけで十分ですー」とか言うのだろう、こいつは。
――ああそうか、だから俺は今何をやるべきか悩んでるのか。
「メリークリスマス!」
スーパーで安売りしていたパーティー帽子かぶって、クラッカー鳴らして。別にいつもと変わらない食事が並んでいるのに、神楽や新八と同じガキみてーな顔して笑う。他の奴らにも誘われただろうに、きっとそっちのほうがいいものタダで食べられただろうに、味噌汁を啜りながら満面の笑みを振りまいて。
「――・・ったく、お前もバカだな」
「いきなり失礼すぎるっての。何だよ、銀さん」
大事にしろよ、高かったんだからな――ぽいと投げ渡した包み。そいつを開けたが、言葉もなく俺の腰にタックルかますまであと5秒。
writing date 07.11.27 Re:up date 08.01.06