第2話
「はぁ、やっぱうまいわイチゴ牛乳。これとパフェさえあれば銀さん他には・・・・・って違ぁあう!」
とりあえず自己紹介をおえて。
なんとなく沈黙したとき、銀時にはイチゴ牛乳を、彼以外にはお茶を新八が差し出した。
皆が和んだときに銀時のこのひとりボケひとりツッコミである。
「もー、銀ちゃんいったいなにあるヨ?突然叫んだりして・・だから天パはだめアル」
「なんでぇ? なんで天パだと駄目なわけぇええ?」
「ほんとうるさいっスよ、天パ」
「だぁかぁらぁああ!銀さんが言いたかったのは、チャンは一体何者かってことなのぉおお!」
その半泣きで叫んだ銀時の言葉に、新八と神楽の顔は「あぁ、なるほどね」という表情をつくる。
普段ろくなことを言わない上司を、二人はあまり(むしろほとんど)信用していなかった。
「は天人アルか?」
「・・・・あまんと?」
は聞きなれない単語を繰り返す。
ぱちぱちと瞬きをするさまは、知らないらしいという推測をするに難くなかった。
「・・・俺は、この世界の者じゃないんだ」
は銀時たちのいる世界とは、違う世界の住人である。
そのの世界には宝珠とよばれる特殊な石がある。
既に肉体を持たず、思念だけの存在となった意思のような類のものの集合体。
宝珠の護り人はその思念を具現化してそれぞれの宝珠が宿す力を行使することができる。
――――つまり、護り人の力として召喚することができるのだ。
そして、当代の宝珠の護り人は。
以外が宝珠の力を召喚することはできないが、宝珠は以外でもそれを保持する人間の力を著しく増幅させる。
たとえば、宝珠を持つ人間の身体能力を向上させたり、知能をよくしたり・・・つまり非常に使い勝手がいい。
また、宝珠にやどる力のわずかを保持する人間に与えることもある。
「そのため、宝珠は混沌と戦乱の種だった。それを防ぐために宝珠の護り人はある。俺の仕事は宝珠の鎮守。つまり保管と管理だ」
「ふぅん?で、そのちゃんがなんでこんなところに?」
「うん・・・その宝珠が、この世界にあるらしくて。それを探しに」
「あるらしいって・・・どういうことですか?」
伝聞の形で話をするの言葉を聞きとがめて、新八が問う。
の話が本当なのだとしたら、宝珠が彼女の世界とは違う世界にくるなんて、不自然極まりないではないか。
「宝珠は互いに呼び寄せあうんだ。だから、手元に残ってるコイツに聞いた」
の手のひらにある一つの珠。
3人の目は吸い寄せられるように宝珠へと向けられ、また視線と同じように銀時の手が伸びる。
親指と人差し指でもち、(があけた巨大な)屋根の穴からの光に透かしてみる。
水晶のように透き通ったその宝珠の中には、白い光が宿っているようで。
「口で説明するよか、見せたほうが納得できるだろ。ま、見てな!」
銀時から受け取った宝珠を右手に握り、は3人の前に立つ。
すぅ・・、と彼女が目を閉じて沈黙が降りたとき。
右手から白い光が漏れ、の全身を淡く包む。
その光は左手の甲に収束し、なんらかの紋様を象った。
が口を開く。
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