chapter05  Cinderella's funny story

第1話


むかしむかし、あるところに本名シンデレラ、愛称という女の子がおりました。 本名と愛称に関連性がないのは、作品の性質上致し方ないことなので深く気にしないようにしましょう。
は心優しい父親Aと、慈愛に満ちた母親Aと3人で、慎ましくも、それはそれは幸せに暮らしていました。 しかしそれもそう長くは続きませんでした。優しく、人への思いやりに満ちた母親Aが流行り病にかかって、亡くなってしまったのです。 と父親Aはながく悲しみに沈んだ日々を送っていましたが、ある日父親Aはとある人達を引き連れてお城に帰ってきたのです。

「その人達だれ?俺見たことないけど」

は仮にも一領主の娘でしたが、一人称は"俺"、領地内では一番剣のたつ勇ましい姫君へと立派な変貌を遂げていました。

、この人がこれからお前の新しいお母さんとなる人だよ」
よろしくお願いしまさァ

なぜでしょう。
が新しいお母さんとなるこのうら若き女性(・・?)と出会ったのははじめてです。 なのにどういうわけか、は危険を感じ取っていました。この人に決して逆らってはならない、と本能が告げています。

「俺のことは総悟母さんと呼べィ」
「そ・・・総悟母さん・・・・(この人自分のこと俺って言った!? 俺って言ったよな!?)」
「綺麗な人だろう?」
「(イヤ、確かにそうなんだけど・・・母さんが俺より年下って倫理的に問題あるんじゃ・・)」
文句あるんですかィ
いえいえいえいえ、滅相もございません総悟母さん」

正直、受け入れがたい父親のロリコン疑惑に苛まれることになったですが、彼女の心労はこれだけではすみませんでした。 なんとこのうら若き母親は、既に二人の子持ちだったのです。

「長女の妙です。よろしくね、ちゃん」
「次女ノキャサリンヨ。ヨロシクシロヨ コノ不細工」

総悟母さん、アナタその歳でいったいどんな道歩いてきたんですか。 長女の妙ねえさんは総悟母さんに似てそれはそれは綺麗な人です。が、秘めた力は人外です。 次女のキャサリンねえさんはどうみたって人間じゃありません。 猫耳があるから、とかそんなちっぽけな理由ではなく、 この人を人間という枠に入れた場合、地球上に存在する人間という存在はおそらく激増することでしょう。 動物園とか熱帯の密林とかに。 そしての義理の母、姉となったこの人たちは、みんなしてS寄りでした。

ちゃん?私の作ったご飯は食べれないとでもいうつもり?」
「ち・・っ、違うよ妙ねえ!ご飯は俺がやるから!妙ねえの綺麗な手に傷でも出来たら大変だろっ?」
「オイ!コノ ドレスニ アイロンカケトケッテ言ッタローガ」
「(キャサリンねえさん、どーせドレスなんか着られないだろ・・・!つーか読みにくい!)」

、ちょっとこっちに来なせェ」
「な、なに?総悟母さん」

二人の姉のサドっぷりもなかなかなものですが、それ以上に一番すごいのは母親の総悟母さんです。 外見的な血のつながりなんかさっぱり見つけられない三人ですが、この共通点を見つけたときは戦慄すら覚えました。


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