09/28(Fri)

reported by:temp



 わたしが生まれたのは、九州の片田舎だ。
 父は公務員、母は専業主婦。二つ年の離れた弟がひとり。何の変哲もない家庭で何の変哲もなく育ち、何の変哲もない高校生として学校に通っていた春、気が付いたらマメパトの大群に追い回されていた。
 元いた世界にはポケモンなんて生き物はいなかったから、そのときのわたしはファンシーな割に結構デカい鳩に追いかけられているとしか思えず、死に物狂いで逃げた。そうしているうちに足を踏み入れていたのが、ここ、ライモンシティである。
 いつか覚める夢を見ているのだろう。そう思って二、三日ぼーっとして過ごしたが空腹に耐えられず、金銭を得るために働き始めた。夢の中で空腹を感じ、それを満たすための食料を調達するのにお金がいるなんて、ひどくリアルな夢だとは思ったが、まあそれにしたって夢は夢。そう思って夜は野宿で過ごしていたが、ひと月経っても夢から覚めなかったので、ボロのアパートを借りた。
 それから半年が経ち、一年が経ち――― 十年が経ったいまでも、わたしは変わらぬ夢を見ている。

「う、そ…でしょ?」
「残念ながら本当のはなしです。…ああでも、証明する手段はないので、信じられないんだったらそれでいいですよ」

 別にわたしは困りませんから。
 そう言うと、クダリさんの頬がサッと朱に染まった。怒りとも羞恥とも後悔ともつかない感情で、鼠色が揺れる。クダリさんの感情がこんなにわかりやすいのははじめてだなあと思った。

「…貴女がポケモンに敵視される理由は?」
「はっきりしたことはわかりません。でもきっと、わたしの気配に怯えてるんだと思います」

 この世界のものではない気配。異物のにおい。異質な雰囲気。得体の知れないものに対する恐怖は、すべての生物に共通する。自分という “個” を損害する可能性のあるもの。自分にとって “大切なもの” に危害を加える可能性のあるもの。そしてそういうものを察知する能力は、本能に基づいている。

「だから、より本能に忠実なポケモンたちが、貴女を敵視すると…?」
「はい。…あとは子どももですかね。小さければ小さいほど、泣かれます」

 もっと緊張するかと思ったが、話し始めてしまえばなんてことなかった。いつかはこういう日が来るだろうと、この十年、わたしの中にずっと在りつづけたものだからかもしれないし、このひとたちが相手だからかもしれない。判断はつかなかったが、別にどちらだろうと構わない。どうだっていいことだ。

「……なるほど」
「ご納得いただけました?」

 わたしが笑みを浮かべると、ノボリさんは少し驚いたような顔をして、それから静かにうなずいた。
 この鉛色のひとみに映る自分は、一時間前と変わってしまったのだろうか。わたしが浮かべる笑みの意味も、言葉の理由も、すべてが変質してしまうのだろうか。――ざまあみろ、という気分でもある。知ったところでどうにもならない問題を背負わされるほど、煩わしいものはないはずだ。けれど同時に、惜しくもあった。そこでようやく、自分はこれまでの生活を割と楽しんでいたのだと知る。

「じゃあが、ずっと派遣のお仕事してたのって…、」
「ああ、いつ元の世界に戻っても大丈夫なようにしておいた方がいいかなあと思いまして。派遣だっていきなり穴開けたらすごく迷惑でしょうけど、正社員よりはマシだろうと思、」
「ねえ、
「…なんですか」
「ぎゅってしに行っていい?」

 ――わたしの “いやなよかん” は、クダリさんに限り、ほとんど絶対の確率で的中するまでに成長したらしい。わたしは頭痛を抑えるように、片手でこめかみに触れた。もーやだ、ほんと頭痛い。そうしている間にもクダリさんはそわそわと落ち着かない様子で、今にも椅子から立ち上がってこっちに来そうな雰囲気である。身の危険を感じないわけにはいかない。

「……お兄さん、弟さんがトチ狂ったこと抜かしてらっしゃいますけど」
「いざとなったら、ぶん殴ってくださって構いません。わたくしも加勢いたします」

 このお兄さん、言うことがたまにワイルドである。

「だって、さみしそう」
「はあ?」
、さみしそうな顔してる」

 ……言うに事欠いてなにを言い出すのだろう、このひとは。わたしは胡乱な目をクダリさんに向ける。さみしいなんて、なんで今更。だってもう十年だ、十年! 高校生だったわたしも、今やいい大人である。酒が入って酔いが回れば、「さんは結婚の予定とかないの?」 なんて冗談交じりに聞かれるような歳だ。

「はあ…そうですか…」
「うん。だからね、ぎゅってしに 「来なくていいです」 …っなんでー?なんでなんでなんでー?」
「いやだから、今わたしブラしてないんだって言ったじゃないですか」
! そのようなことはおっしゃらずともよいのです!」

 なぜわたしが怒られる。と、思った次の瞬間には、顔を真っ赤にしたノボリさんにサザンドラも怒られていた。頬を膨らませてそっぽを向いている姿を見る限り反省した様子はないが、とりあえず平等に扱われたことに満足する。
「…っとにかく、」
 場を仕切りなおすように、コホン、とノボリさんが咳払いをした。

、これまでよく頑張りましたね」

 告げられた言葉の意味を理解するのに、数秒かかった。
 がんば、った……なにを? だって、こっちに来てから、がんばったことなんてほとんどない。元の世界に戻るのだから、ここではいつか来るその日まで適当に食い扶持をつないでいられればいいと思って、事実そういう風にしか生きてこなかった。適当に周りに合わせて、適当に馴れ合って、踏み込みもせず、踏み込まれもせず、与えられた仕事だけこなして、そうやって生きてきた。がんばってなんて、

はよく頑張ってくれています。…でなければ、クラウドの机があんなに綺麗なままで維持されるはずがございません」
「そーそー! 前は書類ため込んで、期限忘れて、いっつもギリギリになってぼくたちのとこ持ってきてた。でも、最近ぜんぜんそーゆーのナイ」
「貴女がまとめてくださったバトルデータは、様々な角度から多角的に検証されていますので、わたくし共だけでなく鉄道員の皆さんにも大変好評です」
「あれすっごいよねー! キレイで見やすい、なのに情報もりだくさん!」
「それに、クダリの相手もしてくださいます」
「ノボリの相手もだけどね!」
――…わたくし共は貴女の職場での様子しか存じ上げません。しかしその範囲でも十分、貴女は頑張ってくださっていると思いますよ」

 ふわり、と頭に感じるあたたかな重み。恐る恐る視線を上げると、いつの間にかテーブルを回り込んでいたらしいノボリさんが、わずかに腰をかがめてわたしの頭をなでていた。…何度も言うが(本当は言いたくないが)、こちらに来て十年、わたしはもういい歳である。頭をなでられたことなんて、この十年のあいだ、一度だってなかった。ここ一年がおかしいのだ。なんでこう、このひとたちはひょいひょいひとの頭に触れるのだろう。羞恥でくちびるが震える。

「十代半ばでこちらに来てからというもの、ずっとおひとりで生計を立ててこられたのでしょう?」
「で、でも、トレーナーを目指す子たちだって、ひとりで旅をして、」
「彼らにはポケモンというかけがえのないパートナーがおります。…わたくしにはポケモンたちに加え、クダリという手のかかる弟もいますので、貴女がこれまでに味わってきたであろう艱難辛苦を想像すること、ましてや理解することなんて、とても難しいでしょう」
「…………………」
「他人に甘えない、自分の力でなんとかしようとする貴女の姿勢は美徳です。…ですが、貴女はもう十年もひとりで頑張ったのです。少しくらい、ご自分を甘やかして差し上げてはいかがですか?」

 ちがう、ちがうちがうちがう! ノボリさんはわたしを勘違いしているのだ。わたしはそんな殊勝な人間じゃないし、自分の力でどうこうというより、そんな逼迫した場所には立ち寄らないようにしてきただけで、本当になんにもしていない。してこなかった。わたしはいつだって自分のことしか考えていない。他人に甘えない人間であるように見えているなら、それはきっと、

のことだもん、どーせ元の所に戻るんだから、友達はいらないとか、仲よくしてもしょーがないとか、そういう風に考えてるんでしょ!」

 ――図星だ。

「そうやって、こっちに大切なもの作らないようにして、いざサヨナラするとき、そのひとたちが悲しくならないようにしてるんでしょ!」

 ―――…どこをどう間違えば、そんなポジティブな考えになるの…。
 わたしは呆然とするのを通り越して、クダリさんの頭のブラックボックスで変遷を遂げたその考えに、尊敬の念すら抱いてしまった。わたしのどこをどう勘違いして曲がりくねって回り道してさかさまにすれば、そんな考えに至れるのだろう。

「でも残念でしたー。ぼくたち、もうのこと大切だもん。すごく大事に思ってるもん。…だから、が元の世界に戻ったら、こっちで勝手に泣いてやるから。ざまあみろ!」

 何をふざけたことを、と思うのに、なみだがあふれて止まらなかった。となりでノボリさんが苦笑する気配がして、目の前でクダリさんがにやにや笑っている気がする。なんでこのひとたちはこうなんだろう。なんか腹立ってきた。いつもいつも、わたしばっかり無様な姿をさらして、本当に情けないことこの上ない。
 でも、クダリさんの嬉々とした 「あ!なみだの止まるおまじないする!?」 という声が聞こえた瞬間、なみだは止まった。ぐっじょぶ、わたし。人間は成長するサルである。

「ぶー。なんでそのタイミングで泣き止むかなあ?」
「さあ。涙腺も、貞操の危機を感じ取ったんじゃないですか?」
「…ふうん、そういうこと言う? 、今ぼくたちの家にいること、わすれたの?」
「ぼくたちの、ということは、わたくしの家でもあることをお忘れなく、クダリ」

 ちぇーっ、ノボリが空気よまない! と頬を膨らませるクダリさんに、ノボリさんが溜息をつく。でもそれには確かに親愛の情がにじんでいて、わたしはなんとなく羨ましくなった。最後に会った弟は思春期真っ只中だったわけだが、その彼ももう成人をとうに超えているわけで――ちょっと想像がつかない。というか、元の世界のことを考えるのは、ものすごく久しぶりだった。最後に向こうを想ったのは、何年前のことだったろう。

「ねえ、弟クンってどんな子? てゆーか、の元いた世界ってどんな?」
「ああ、それは確かに興味深いですね。夕飯でも食べながら、お聞きしてもよろしいですか?」
「話をするのは、別にいいんですけど……あの、ゆうはん?」

 キッチンからこちらを振り返ったノボリさんのあの、「何をいまさら」 みたいな顔はおそらく忘れられまい。

「ええ。少し時間がかかりますから、その間にデンチュラと和解しておいてくださいまし」

 ――ちがう! わたしが聞きたかったのはそういうことではない…!
 なんでわたしが夕飯をごちそうになることが当たり前みたいな流れになってるんだとか、元々さっきの時間はわたしの服が乾くまでのつなぎみたいなもので、そろそろ乾燥も終わるはずじゃないのかとか、割と重大でわたしに対する態度とかが変わってもおかしくない話をしたはずなのに、なんで全然変わらないんだ、てゆーかむしろより子ども扱いが進行している気がするのは気のせいですかとか、言いたいことはいろいろあったのだが、いろいろありすぎたせいでわたしはおとなしく、「はい……」 とだけ応えていた。どうしてこうなる。ちなみにメニューはビーフシチューだそうだ。

 わたしが頭を抱えているあいだ、席に着いたままだったクダリさんは、腰のホルダーからひとつのモンスターボールを取り出した。手のひら大に復元させて、テーブルの上、わたしとクダリさんからちょうど同じぐらいの距離に静置させる。
 中にいるのが誰なのかは、見なくてもわかった。ボールが不安そうにぐらぐら揺れている。

「ねえデンチュラ、さっきのぼくたちのはなし、聞いてたよね? …うん、そういうわけだから、にちゃんと謝って」
―――…いやいやいやいや、違うでしょ!」

 びっくりした。このひとは一体何を言い出すのだろう。

「ちがうって、何が?」
「いや、和解するのってクダリさんとデンチュラですよね? わたしとデンチュラじゃないですって!」
「ちがくないよ。…ねーえ、ノボリそうだよねーえ?」

 そのつもりでございましたあ、とキッチンから間の抜けた声がして、わたしは孤立無援を知る。いや、強いて言うならデンチュラも、おそらくわたしと同じ思いだったことだろう。

「デンチュラがぼくを守ろうとしてくれたっていうの、わかった。でもそれ、を知らなかったからでしょ? 今はもうのこと知ってる。デンチュラのことも、ぼくのことも傷つけたりするひとじゃないって、もう知ってる」

 そう静かに語りかけるクダリさんは、まさしくサブウェイマスターの顔をしていた。バトルサブウェイ制覇を目指すトレーナーたちの、最終にして最大の壁。彼らの前に立ちふさがる強大な敵でありながらも、挑戦者たちを更なる高みへいざなう導き手として、自分たちに向けられる尊敬、妬み、憧憬、思慕を全部背負って立つひと。
 これはその、クダリさんとデンチュラのあいだの問題なのだ。となれば、わたしに口を挟む権限はない。

「だから、に謝って。絶対あんなことしないって、約束して。…じゃないと、もうバトルには出せない」
「えっ」
「仕方がありません。理由はどうあれ、サブウェイマスターの手持ちポケモンが、号令無視の上にひとを襲うなど、あってはならないことですから」

 口を挟む権利はないとわかったが、それにしたって空気が不穏だ。わたしからご主人たるクダリさんをかばって、それが原因でバトルから外されるなんて、デンチュラにしてみたらいい迷惑以外の何物でもないだろう。大体、“あんなこと” と言ったって、あれはせいぜいちょっと強力な静電気くらいのもので、そのほかは焦ったわたしが勝手に池に 「うるさい、すこし静かにしてて」 はい、すみません。
 少しの間モンスターボール越しに視線を交わしていたクダリさんが、ボールを手に取った。しっかりね、という小さな呟きとともに、ぽんっという軽い破裂音。

「…………っ」

 だいじょうぶ、こわくない。こわくない、こわくない、こわくない。だって彼は、あのクダリさんの手持ちだ。きっともう痛いことなんかない。こわいことなんてない。だいじょうぶ、きっと、だいじょうぶ。

「あ…、え、っと…」

 もそもそと床を這うデンチュラを見下ろし、このままじゃ和解もクソもないと思い至ってしゃがみこむ。…うわ、近くで見るとやっぱでかい…。複眼に映りこむ自分の姿が見えたが、あまりに腰が引けていて我ながら情けなかった。でも、もし万が一、いまここで襲われたらわたし死ぬな、絶対死ぬな。やるんだったら一息にお願いします、あんまり痛くて苦しいのは嫌です、ああ、でも最期にもう一度だけクラウドさんの机の上きれいにしておきたかったなあ―――

「………?」

 もぞり。足元になにかが押し付けられる感覚。…というか、わたしいつから目ェ閉じてた?
 恐る恐るまぶたをこじ開ける。視界に一度黄色いのが飛び込んできたので反射的に目を閉じて、このままじゃいかんと自分を奮い立たせてまた目を開ける。このままじゃこの子がバトルに参加させてもらえなくなってしまう、わたしなんかのせいで!

「ひう…っ」

 変な声でた。いますごい変な声でた。しゃがみこんだわたしの膝あたりに、あたまを擦り付けていたデンチュラもきょとんとするような変な声でた。――「わたしの膝あたりに、あたまを擦り付けていたデンチュラ」? 「わたしの膝あたりに、あたまを擦り付けているデンチュラ」…!
 うっかり手を伸ばしかけて、宙でこぶしを握る。いやだめだ、調子に乗るな。上げて落とす手管かもしれない。今わたし、たぶんものすごく上げられてるから、落とされたときの衝撃もきっと半端じゃないはず。今のわたしなら簡単に砕け散るぞ。くそう、そうはさせるか…!

「……なでてあげれば?」

 告げられた言葉にはっと顔を上げると、にやにや笑いのクダリさんがわたしたちを見下ろしていた。見ている分にはさぞかし滑稽だろうが、わたしは真剣である。放っておいてほしい。

「それ、デンチュラがなでてほしいときの仕草」
「……ほ、ほんとう、ですか」
「本当」
「う、嘘言ったら、張り倒しますよ」
「わあ、こわあい。…でもこれホント! はやくなでてあげて?」

 そろり、そろりと手を伸ばす。えっでもあたまってどこなでればいいんだろう、やっぱりこう、複眼のあたりは嫌だよね、そしたら後ろらへんかな、えっでもいきなり目の届かないところ触られるのは嫌かも…いやそしたらどこなでればいいんだよ、てゆーかあれって本当に全部目なのかな、複眼ってどういう風に見えるんだろう…。

「………!!」

 あたまの上で右往左往するわたしの手に、いい加減、デンチュラのほうが焦れたようだった。手のひらに感じるもふっとしたそれに、わたしは凍りつく。だって、これまで、どれだけ望んでもだめで、彼らから向けられるのは爪とか、牙とか、そんなんばっかりで、どうしても、どうしたって無理なのだとあきらめていたものが、

「あ、の……クダリ、さん、」
「なあにー?」
「ぎ、…ぎゅってして、いいです、か…」
「あは、それぼくに聞くのー?」

 ああ、そうか、デンチュラに聞かなきゃ。そう思って彼にもう一度同じセリフを投げかけると、なぜか頭上で爆笑された。なにがおかしい。
 デンチュラは意味を図りかねたように首をかしげ、小さく鳴き声をあげながらわたしに飛びついてきた。聞いておきながら許可されるとは思っていなかったので、突然のことに虚を突かれたわたしはデンチュラを抱えて背中から床に転がる。その際、後頭部を思い切り打ちつけたが、正直なところあまり痛みは感じなかった。それより、腹の上にあるあたたかな重さのほうが重大で。

「…あったかい……」

 ゆっくりと両腕をデンチュラの背中にまわす。ごめんね、ありがとう。そうつぶやくと、小さな鳴き声がかえってきた。いまならしんでもいいかも、と割と本気で思う。これなら本望だ。

「ねえ? ぎゅってしたいなら、ぼくでもいーよ?」
「いえ、デンチュラがいいです……あっもちろん、デンチュラがいいなら、ですけど…。――い、いいんですか? ここでわたしから離れないってことは、そういう意味だと捉えますけど、本当に? …っ、デンチュラ!」
「えええ…なにそれ、なんかぼく納得いかない…」
――いつまでもそんなことしてないで、手を洗ってきてくださいまし。夕飯の準備が整いましたよ」

 はあい、と返事した向こう側で、乾燥機の止まる音がした。

ちなみにぱんつもはいてますん。

2012/04/15 脱稿