atgk02
reported by ayato0_0
事務員シリーズで書きたかったのはやはり、クダリさんとさんについてです。最終的にこの子たちをちゃんとくっつけよう、というのが最大目標で、それに付随する形でさんにいよいよ覚悟を決めてもらおう、というのがこのシリーズの主題でした。前作で掲げていた 「異世界トリップ」 というネタは今回も引き続き根底で継承しつつ、でもメインはクダリさんとのもだもだしたあれこれ、という感じ。前作の派遣シリーズがあんまり頭の中の予想完成図から離れすぎて戦々恐々としながら書いたのと対照的に、こちらはある程度プロット通りに進みました。細かいところは毎回毎回どいつもこいつも好き勝手してくれやがりまして、手綱を握ることは早々に諦めておりましたが、一番道を外れたのはノボリ義兄さんでした。ほんと勘弁してください…。
一番考えたのはやはり、さんにクダリさんの気持ちをどう理解させるかであり、どう受け入れさせるかでした。受け入れさせる、というかまあ自分で勝手に受け入れてくれていたので、受け入れている彼女自身をどう自覚させるか、ですかね。そういう点では、いかに読んでくださっている方の度肝を抜くか、というのも命題でした。全体的に突拍子もないシリーズだったので、できれば 「……はあ!?」 と思ってもらいたかった。結末はベッタベタな感じになるとしても、そこに至るまででどう予想を裏切るかというところに重心を置いたら、こんなことになりました。面白おかしさを追求したい天邪鬼がゆめしょーせつを書くとこんなんになります。でもおかげで彼ららしいというか、甘ったるさが過ぎるということも回避できたのでよかったです。ただ甘ったるい感じのは書けなかっただけとも言う。
・さんについて(デフォルト:
スバル)
アホです、やっぱり。開き直れれば強いのですが、それまでが長い理性のひと。その割に無意識でぽろっと要らんこと言ってますが、気を許すとうっかり言葉が出ちゃうひとだと思います。そして全体的に危なっかしい。こと自分のことに関して 「どーでもいい」 と思う閾値が低いので、見てて冷や冷やしちゃう。自分では 「え、わたしはツッコミでしょ?」 って思ってて事実そう振る舞いますが、身近な人間に言わせれば 「あいつはボケ」。表面上はツッコミですが、深層は間違いなくボケだと思います。
ツンデレ、というかデレのテンションがやたら低く、逆にクダリさんはデレのテンションがやたら高いので相対的にツンデレに見えるようなイメージ。人前での接触(恋人同士のハグ、キスなど)は恥ずかしいからダメというより、そこでする意味がよくわからないし、みっともないとまでは思わなくとも別に他人のそんな場面見たくないしなあ…と思っているのでいや。無理にしようとすることは彼女の価値観にくさびを打つような行為なので、照れるとかいうのを飛び越してガチギレします。嫌だと言ったら絶対いや。むしろ恋人という関係性でなければ、それも全部まとめて 「どーでもいい」 に振り分けられるのでそのまま放っておかれます。ザ・矛盾。
シリーズ中ではあんまりポケモンたちといちゃいちゃさせられなかったのが残念ですが、相も変わらず患っているのは確かです。番外編で手懐けようと必死だったことからして、事務員シリーズに入ったころにはもうサブマスの手持ちポケモンたちとも仲良くしてたんじゃないかと思います。ポケモンたちにだけ口調がほんの少し丁寧になります。好きすぎて。
・クダリさんについて
クダリさんまじ天使!です。前作では小悪魔っぽいのをイメージしてたはずですが、結果完全に天使になりました。それもこれも、派遣シリーズ六作目の番外編で発した 「浮気とかもぜったいしないし、ぼくを好きでいてもらえるようにすっごくがんばる。とっても大切にする」 という発言に引っ張られた結果だと思います。セリフは完全に思い付きでしたし、それを書くまでこういう可能性を欠片も考えていなかったクセして、振り返ってみれば後々の方向性を完全に決定づける一言に…見切り発車まじ怖え。
でもさんとの対比で、割とちゃんと大人な面を描くことができたかなあと自己満足。精神的に安定しているのは間違いなくクダリさんの方です。三人の中で実は一番常識人で、本質的にはツッコミ担当。でもボケだらけで面倒くさいしそっちのほうが楽しいからボケとして振る舞う感じ。他二人があまりに頼りにならなかったとも言う。
デレデレ。もう言い訳のしようがない。なんでそんなに、とわたしが一番思っているはず。人前で積極的に接触していきたいですが、ゴミを見るような目で 「触るな」 と言われたのはさすがに堪えたそうです。でも他人の目がなければ別に構わないことも早々に学び、「ってば照れ屋さん!」 で済ませられるアイアンハートの持ち主でもあります。彼女のその反応が 「照れ」 からくるものではないことを重々理解したうえで、そういうこと言うひと。自分だけがわかってればいいと思っているので他人に語りたがらず、適当にそういうこと言って周囲をけむに巻くのが常套手段。
さんの手持ちであるルクスとの関係はある程度改善したものの、決してよくはありません。いまだにちょくちょく取っ組み合いのけんかに発展して怒られます。
・ノボリさんについて
ノボリさんまじ……なんでこんなことになったんだろう…。派遣から事務員の間の番外編を埋めながら 「あれ、おかしいぞ」 とは思っていましたが、いよいよ取り返しのつかないことになりました。クダリさんとのもだもだを主題に据えた事務員シリーズでその存在感が増すというワケのわからない事態になりましたが、書いててすっげえ楽しいし、ある意味おいしい役どころに落ち着いた気がします。クダリさんだけでなく、ノボリさんとも関係性が変遷して、かつ以前より強いものになったのは実際書いてて大変おいしいです。一兎を追ってたら、もう一兎も知らんうちに網にかかっていた気分。
派遣シリーズ序盤では 「なんでもできる完璧な人」 というのがノボリさんに対するイメージで、さんにとって心底尊敬できる上司、だった、はず、なんですが……気が付いたら三人の中でいちばんダメなひと(※褒め言葉)に、なったような…。「なんでもできる」 という点はそのままなんでしょうが、なんせ心配性と過保護なのがひどくて、めんど(以下略)。真性のチョロネコかぶりだったようです。
「自分がリードしていかなければ!」 と思っていますが、仕事以外では引きずられるぐらいがちょうどいいひと。でもそれを(この年で)認識できていないので、いつもしっくりこなくてお別れを繰り返しています…いやほんとめんどくさいなこのひと。自分ではツッコんでるつもりですが、他人から見ればそれがすでにボケ。三人の中で一番手におえないのはノボリさんだと思う。
人前で接触するのは、恥ずかしいですおやめくださいまし…!と口では言うものの、本当のところ大歓迎なひと(…)。ツボも浅いし数も多いですが、理性だけで繋ぎ止めて、る………あれこのひと存在がアウトじゃね?
上記二人がうまいこといくようになったころからいよいよ焦りはじめましたが、彼らに子どもが生まれたころにはもうどーでもよくなって、「お前はこの子の祖父か!」 という勢いでお給料をおもちゃやお菓子に費やすようになりました。多分、二人に相談なくその子の学資保険とかかけてる(…)。
・ランプラー(♂、ニックネーム:ルクス)
嫁。事務員シリーズではあまり登場させられませんでしたが、さんと相思相愛なのは相変わらずです。結婚に関するごたごたはまたちゃんと書けたらなあと思いますが、彼はもはやさんの保護者役に落ち着き始めているので、彼女の父親役としてクダリさんの前に立ちふさがってくれたことと思います。さんのしあわせが第一なので、泣かそうもんならオーバーヒート(天候:はれ)です。ぜったいゆるさねえ。将来的にノボリさんのシャンデラとカップルになっちゃえよーと思いましたが、そうなるといよいよノボリさんがひとりに……まあいいか。